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消費者金融カードローンなどの借金・カードローンを完済するためには、利息を減らす方法を実践して積極的に借入元本を減らしていくのが重要。なぜなら、融資の際に課される利息条件は債務者にとって厳しい内容が設定されていることが多いので、契約通りに返済をつづけるだけではいつまでも元本が減らないおそれがあるからです。
たとえば、おまとめローンへの借り換え・繰り上げ返済などを実践すれば、利息負担を減らすことによって完済を目指しやすくなるでしょう。
もっとも、債務者のなかには、すでにギリギリまで生活費を切りつめているために、「これ以上は利息を減らす方法を実践できない」「毎月の最低限の返済さえ難しい」という人もいるはず。借金苦が原因で滞納状態におちいってしまうと、利息以上に厳しい遅延損害金が発生し、最終的には強制執行が実行されるという甚大なペナルティが課されてしまいます。
そこで、自分の力だけでは利息を減らす方法を実践できない、借金の返済継続が難しいという債務者は、弁護士に債務整理を依頼することをおすすめします。任意整理なら将来利息をカットできますし、個人再生・自己破産なら借金元本まで踏み込んで返済状況の見直しを図れるでしょう。
利息を減らす5つの方法と減額後の返済シミュレーション
「毎月返済しているのに借金完済が遠い」「終わりが見えない返済生活をつづける気力がわかない」など、長期化する借金生活に苦しんでいるのなら、利息を減らす方法を実践してください。
なぜなら、債務者を借金苦に縛りつける根本原因は「利息」だから。利息を減らす方法を実践するだけで、借金の返済状況は大幅に改善できるでしょう。
借金の利息を減らす方法は、次の5つです。
- ①おまとめローンや借り換えで金利を引き下げる
- ②繰り上げ返済を実践する
- ③毎月の返済額を増額する
- ④債権者と利息の減額交渉をする
- ⑤弁護士に任意整理を依頼して将来利息をカットする
それでは、利息を減らす5つの方法について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①おまとめローンや借り換えで金利を引き下げる
利息を減らす1つ目の方法は、おまとめローンなどの低金利商品に借り換えるというものです。
債務者のなかには、「たった数%利息条件が下がったところで大きな違いはない」と勘違いしている人が少なくありません。しかし、債務者にとって有利な金利条件に切り替えることは、最終的な利息負担総額を大幅に減らすことができるという意味において非常に役立つものです。
たとえば、借金総額100万円を毎月2万円ずつ返済するケースについて、金利条件の違いでどれだけの差が生まれるのかについて見ていきましょう。
利息条件 | 完済までに発生する利息総額 | 完済までにかかる返済期間 |
---|---|---|
年利率15% | 579,052円 | 79ヶ月 |
年利率12% | 393,187円 | 70ヶ月 |
年利率10% | 298,939円 | 65ヶ月 |
年利率8% | 220,409円 | 62ヶ月 |
年利率5% | 123,661円 | 57ヶ月 |
たとえば、消費者金融カードローンなどのカードローンでは利息制限法の上限金利規制いっぱいの利息条件が設定されるケースが多いため、借金100万円を借り入れると年利率15%の利息負担を強いられることに。この場合、毎月2万円ずつ着実に返済をつづけても、79ヶ月の返済期間をかけて、利息として60万円近くの余計な出費を強いられることになります。
これに対して、銀行カードローンなどの低金利商品やおまとめローンなどの低金利商品に借り換えたとしましょう。たとえば、年利率5%の利息条件なら57ヶ月の返済期間で利息負担は10万円程度に抑えられます。
どちらのケースも、債務者が毎月2万円ずつ返済することには変わりありません。ただ、利息条件が異なるだけで、「返済期間を2年短縮し、利息負担総額を50万円近く軽減できる」というメリットが得られます。
審査甘いおまとめローンはどこ?ローン一本化可能な銀行・消費者金融カードローンを徹底比較! 借り換えでおすすめなカードローン8選!借り換え後の返済シミュレーションまで解説!②繰り上げ返済を実践する
利息を減らす2つ目の方法は、繰り上げ返済を実践するというものです。臨時返済・随時返済とも呼ばれます。
繰り上げ返済とは、当月分の返済額だけではなく、翌月分以降の返済分を前倒しして返済するという方法のこと。翌月分以降の支払いは全額借金元本に充当されるので、繰り上げ返済分は利息の支払いに回されないというメリットが得られます。
たとえば、借金総額100万円・年利率15%・毎月2万円ずつ返済する状況において、繰り上げ返済をするとどれだけの利息を減らせるかについて具体的に見ていきましょう。
繰り上げ返済額 | 完済までの返済期間 | 最終的な利息総額 | 減らせた利息 |
---|---|---|---|
0円 | 79ヶ月 | 579,052円 | 0円 |
10万円 | 67ヶ月 | 430,918円 | 148,134円 |
20万円 | 56ヶ月 | 315,940円 | 256,888円 |
30万円 | 47ヶ月 | 226,318円 | 352,734円 |
※繰り上げ返済を実施するタイミングによって利息を減らせる金額は異なります。実際の減額割合についてはご自身で返済シミュレーションをお試しください。
一切繰り上げ返済をしない場合、最終的な利息発生総額は579,052円、返済期間は79ヶ月です。
これに対して、ボーナスや遺産相続などでまとまったお金が入ったタイミングで繰り上げ返済をすれば、返済期間を短縮化し、大幅に利息を減らすことに成功するのが明らかでしょう。
もちろん、毎月数千円~数万円ずつ繰り上げ返済をするだけでも、利息発生額を減らすことは可能です。金融機関ごとに繰り上げ返済の条件・最低額について定めが置かれているので、お手元の契約書をご確認のうえ、家計に余裕があるタイミングで繰り上げ返済を実践しましょう。
③毎月の返済額を増額する
利息を減らす3つ目の方法は、毎月の返済額を増額するというものです。
カードローンなどの借り入れの場合、約定返済日までに債権者に連絡をすれば、毎月の返済額を自由に変更できます(最低返済額以上の支払いに限る)。
たとえば、「家計に余裕があるから毎月の返済額を1万円ずつ増やしていこう」というように、毎月の返済額を増額すれば、それだけ返済期間は短くなり、同時に、最終的な利息発生額を減らすことも可能です。
借金総額100万円・年利率15%の借り入れ状況において、毎月の返済額ごとの返済期間・利息総額について具体的に見ていきましょう。
毎月の返済額 | 完済までの返済期間 | 最終的な利息総額 |
---|---|---|
2万円 | 79ヶ月 | 579,052円 |
2万1千円 | 73ヶ月 | 528,926円 |
2万5千円 | 56ヶ月 | 394,927円 |
3万円 | 44ヶ月 | 301,674円 |
5万円 | 24ヶ月 | 157,936円 |
毎月数万円増額すれば、利息負担・返済期間を有利にできるのは明らかでしょう。
それよりも注目して頂きたいポイントは、月々の返済額を数千円増やすだけで大きな効果が得られるという点。2万円から2万1千円に増やすだけでも利息を5万円以上減らすことができますし、もう少し頑張って5千円返済額を増やせば20万円近く利息の支払いを節約することが可能です。
ここから分かるのは、利息を減らして効率よく借金の完済を目指すためには、毎月の細やかな努力の積み重ねが重要だということ。できるだけ有利な条件で借金生活を終わらせたいのなら、しっかり家計を節約して毎月少しずつでも良いので上乗せして返済をつづけるようにしましょう。
④債権者と利息の減額交渉をする
利息を減らす4つ目の方法は、債権者との間で利息の減額交渉をするというものです。
特に、消費者金融カードローンからの借金の場合には、次のような方法で当初の利息条件を変更することが可能となります。
- 過去の取引実績をアピールする
- 期間限定無利息サービスを活用する
- 追加融資を申請して利息を減らす
ただし、いずれの方法も状況次第で窮地に追い込まれるリスクがあるものなので、それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。
取引実績があると減額交渉しやすい
まず、消費者金融カードローンとの取引期間が長く、また、過去に何度も借り入れ・返済を繰り返しているのなら、取引実績をアピールして利息の減額交渉をする方法が考えられます。
たとえば、次のように、アコムのカードローンでは、借入額に応じて貸付利率に一定の幅をもたせています。
ご契約極度額 | 1万円~99万円 | 100万円~300万円 | 301万円~500万円 | 501万円~800万円 |
---|---|---|---|---|
実質年率 | 7.7%~18.0% | 7.7%~15.0% | 4.7%~7.7% | 3.0%~4.7% |
新規顧客・取引実績が浅い債務者・過去に延滞がある債務者については、アコムからの信頼が得られていないため、上限利率に近い利息条件が課されるのが一般的です。たとえば、50万円を借り入れた場合、年利率18.0%が設定されることになるでしょう。
これに対して、取引実績のある債務者は、アコムにとっての優良顧客です。債務者側からの打診があれば、他社に流れるのを防ぐために、金利条件を優遇してもらえる可能性があります。たとえば、50万円の残債が残っている状況でも、年利率7.7%までなら値引き交渉が可能です。
たとえば、「大幅な繰り上げ返済の目途がたった」「他社からアコムの借り入れよりも有利な利息条件を提示してもらえた」などを交渉材料に活用すれば、利息条件の割引交渉は進めやすくなります。
もっとも、金利条件を下げてもらったからといって、決して返済が楽になるというわけではありません。返済負担が軽減されたからこそ、余裕が生まれた家計から毎月できるだけたくさんの返済をするようにこころがけましょう。
カードローンの期間限定無利息サービスを利用する
大手消費者金融カードローンでは、初回契約の顧客を対象に、期間限定の無利息融資サービスを提供していることが多いです。たとえば、アコムの場合には、30日間金利0円サービスを実施しています(参照:30日間金利0円サービス(アコムHP))。
つまり、この無利息期間以内に融資額を全額完済すれば、利息負担0円で借り入れができるということです。
たとえば、50万円を年利率18%の条件で借り入れた場合、1ヶ月で完済したとしても、次の利息負担が発生することになります。
- 借金総額 × 年利率 ÷ 365日 × 借入日数 = 利息発生額
- 50万円 × 18% ÷ 365日 × 30日(31日) = 7,397円(7,643円)
たとえば、現在の取引先から追加融資を希望すると、その分についても利息の負担が発生することになりますが、他社が実施している無利息サービスなら利息負担は0円で済みます。
ただし、無利息サービスの方法を選択するということは、それだけ借り入れ先数が増えることになるので、返済管理が難しく、場合によっては多重債務状態におちいって借金が雪だるま式に増えるリスクがあるものです。
したがって、期間限定無利息サービスを効果的に活用できるのは、「かならず期間内に返済目途を立てられる場合」「つなぎ融資として利用せざるを得ない場合」などの場面に限られると考えられます。
借入額を増額して利息を下げる
消費者金融カードローンなどのカードローン商品には、「融資額が高額になるほど金利条件が低く設定される」という性質があります。つまり、現在取引中の貸金業者が提供しているカードローンが提供しているカードローンに対して追加融資・借入枠の増額を申請すれば、利息条件を下げてもらうことが可能です。
たとえば、アコムから80万円借金をしている場合、利息条件は金利18.0%が設定されるのが一般的。この状況で返済をつづけると完済まで年利18%分の利息負担が毎月発生することになります。
ここで、アコムに対して20万円分の増額申請を出して、借入総額100万円の状況を作り出します。すると、利息条件は年利率15%に引き下げられるので、利息負担を減らすことが可能です。
ただし、増額によって利息を減らす方法には次のデメリットがある点にご注意ください。
- 借金総額自体は増えてしまっている。
- 今まで通りの金額を毎月返済しつづけると、返済期間が長期化し、最終的な利息発生総額が増えるリスクが高まる。
- 最終的な利息発生総額も減らすには、繰り上げ返済・一括返済・毎月の返済額の増額の実施が不可欠。
- 滞納が生じた場合の遅延損害金の負担が重くなる
- 借入額の増額審査に必ず通るとは限らない(年収審査などが課されるため)
したがって、追加融資によって利息条件を引き下げた場合には、「かならず延滞なく完済する」「返済期間が”今までよりも”短縮できるように返済工夫を凝らす」など、綿密な返済シミュレーションを実行することが不可欠です。
⑤弁護士に任意整理を依頼して将来利息をカットする
利息を減らす5つ目の方法は、弁護士に任意整理を依頼して将来利息をカットするというものです。
任意整理とは、債権者との交渉によって将来利息をカット・借金元本のみの返済計画を作り直す債務整理手続きのこと。借金苦の諸悪の根源である利息の支払いが免除されるため、毎月の支払いをそのまま元本の返済に充てることができます。
たとえば、借金総額100万円・年利率15%の条件で借り入れていた債務者が任意整理を利用した場合、債務者の負担は次のように軽減されることになります(なお、任意整理では3年~5年で完済できる返済計画を作り直すのが一般的なので、毎月の返済額は2万円と仮定します)。
返済期間 | 利息発生総額 | 最終的な返済総額 | |
---|---|---|---|
任意整理を利用した場合 | 50ヶ月 | 0円 | 100万円 |
任意整理を利用しない場合 | 79ヶ月 | 579,052円 | 1,579,052円 |
ここから分かるように、任意整理を利用するだけで、返済期間が2年以上短縮・返済負担総額が約60万円減ることになります。
任意整理交渉を効率的に進めるためには弁護士などの専門家に依頼をすることをおすすめしますが、専門家への依頼料を差し引いても大幅な節約効果があるのは明らかです。
なお、利息を減らす方法である任意整理には次のメリット・デメリットがある点にご注意ください。
任意整理のメリット | ・将来利息が0円になるので元本のみの返済で良い ・裁判所を利用せずに債務整理手続きを進められるので楽 ・整理対象の借金を選べるので連帯保証人への迷惑を回避できる ・3年~5年の返済計画を作り直せる |
---|---|
任意整理のデメリット | ・借金元本の減額は認められないことが多い(利息カットだけでも効果は大きい) ・自分で債権者と交渉しなければいけない(弁護士への依頼で対処可能) ・ブラックリストに約5年間登録される(滞納しても登録される) |
個人再生なら利息を減らすだけではなく借金元本減額効果を得られる
債務整理の一種である個人再生を利用すれば、利息のカットだけではなく、借金元本自体の減額を狙うことができます。つまり、任意整理よりも踏み込んで減額効果を得られるということです。
個人再生とは、裁判所を利用して「減額された借金を3年で完済できる返済計画」への切り替えを認めてもらう債務整理手続きのこと。住宅ローンを除く借金総額に応じて、次のような割合で借金を減らすことができます。
以下は、個人再生における最低弁済額です。
借金総額 | 最低弁済額=減額される基準 |
---|---|
100万円以下 | 全額(減額なし) |
100万円~500万円以下 | 100万円まで減額 |
500万円~1,500万円以下 | 借金総額の1/5まで減額 |
1,500万円~3,000万円以下 | 300万円まで減額 |
3,000万円~5,000万円以下 | 借金総額の1/10まで減額 |
たとえば、消費者金融カードローンなどからの借り入れが200万円の場合、個人再生を利用すれば100万円まで借金を減らすことができるということです。
ただし、個人再生で借金を減額する際には、ここで紹介した最低弁済額だけではなく、所有している財産の有無(清算価値保障原則)・可処分所得の2年分の金額などが別途考慮されるため、債務者の生活実態や勤務状況次第では減額効果が認められない可能性もあります。
したがって、個人再生を利用して借金を減らしたいと希望するのなら、弁護士に依頼をして個人再生が自分に適した手続きであるのかを判断してもらい、裁判所における複雑な手続きを代理して進めてもらいましょう。
なお、個人再生のメリット・デメリットは以下をご参照ください。
個人再生のメリット | ・元本に踏み込んで返済負担を減らせる ・借金総額が高額の場合には減額の恩恵が大きい ・住宅ローン返済中のマイホーム用の特則あり ・原則3年の返済計画を作り直せる(やむを得ない場合は5年まで伸長可) ・自己破産ほどデメリットは大きくない |
---|---|
個人再生のデメリット | ・安定した給与所得等がなければ認可を受けられない(無職は不可) ・裁判所における手続きが複雑・難解 ・借金総額が少額(特に100万円未満)だと減額効果を得られない ・所有している財産が多いと減額効果を得られにくい ・ブラックリストに約10年間登録される(滞納しても登録される) |
自己破産なら利息・元本の返済義務の帳消しを狙える
任意整理・個人再生と並ぶ債務整理の一種である”自己破産”を利用すれば、元本・利息の返済義務の免責を狙うことができます。つまり、自己破産が認められた時点で借金生活が終了するということです。
ただし、借金の免責という大きなメリットを得るためには、自己破産のデメリットを甘受しなければいけません。「借金帳消し」によって債権者が一方的に不利益を被るのを防ぐために、自己破産には次のような制度的特徴が設けられています。
自己破産のメリット | ・非免責債権(税金の滞納分・養育費など)以外の借金が0円になる ・収入に関係なく誰でも利用できる(無職・フリーターでも可能) |
---|---|
自己破産のデメリット | ・ほとんどの財産が処分される(”自由財産”は手元に残せる) ・免責不許可事由(ギャンブルが原因の借金など)があると免責されにくい(”裁量免責”で帳消しにできる) ・破産手続き中に仕事ができなくなる職業がある(警備員など) ・ブラックリストに約10年間登録される(滞納しても登録される) |
たとえば、「消費者金融カードローンの借金をゼロにできる」というメリットだけに注目して自己破産を選択してしまうと、所有財産が多い債務者には不利な状況に。生活に必要な最低限の”自由財産”は手元に残せるものの、せっかく蓄積してきた財産を手放さざるを得なくなってしまいます。
このように、自己破産には手続き前に検討すべきポイントが少なくありません。「デメリットを受け入れてまで自己破産をするべきか」「自己破産以外の方法で借金状況の改善を目指すべきか」などについて適切に判断する必要があるため、かならず弁護士など法律の専門家までご相談ください。
借金の返済が苦しくなる主な原因と改善策
債務者には利息を減らす方法として5つの選択肢が与えられていることになりますが、安直な考えで選択すべき方法を決めるべきではありません。
なぜなら、借金の返済が苦しくなるのには債務者ごとに固有の原因があるため、その原因を上手にカバーできる方法を選択する必要があるからです。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、債務者との相性を確かめなければいけないということです。
そこで、次の3つの「借金苦におちいる主な原因」ごとに、適切な改善策を検討します。
- ①利息条件が厳しい
- ②返済計画の見通しが甘い
- ③借入れ先が増えて多重債務状態におちいっている
それでは、借金苦の原因ごとの改善策について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
なお、いずれの状況に対しても”債務整理”は常に有効な手段であることは覚えておきましょう。自分なりに工夫を凝らして自力完済を目指すのも間違いではありませんが、「債務整理を実践するだけで今よりも大幅に返済状況を改善できる」ということを見逃さないようにしてください。
①利息条件が厳しい
そもそも、カードローンなどの利息は債務者にとって厳しい金利条件が課されているのが一般的。できるだけ高額の利息を搾り取った方が債権者の収益が高まるからです。
利息制限法では上限金利についてのルールが定められており、次のように、借入額に応じて法律スレスレの金利条件が設定されることになります。
- 借入れ元本10万円未満:年利率20%
- 借入れ元本10万円以上100万円未満:年利率18%
- 借入れ元本100万円以上:年利率15%
利息制限法で上限金利が定められているのは、「これ以上の金利条件で融資をすると債務者が到底返済をできないから」という趣旨によります。
つまり、利息制限法の上限金利が融資条件になっているということは、「完済できるかどうか分からないほど厳しい条件を課されている」といっても過言ではないということです。
【改善策】利息負担が軽減されるような返済工夫を実践する
借金返済が思い通りに進まない原因が”重過ぎる利息負担”にある場合には、「どうすれば利息の負担を軽減できるのか」「何をすれば元本を積極的に減らせるのか」という点に注目して改善策を検討しましょう。
たとえば、利息の負担を減らして借金問題の改善を狙うなら、次の方法がおすすめです。
利息の負担を減らす方法 | 注意点 |
---|---|
①金利の低い商品に借り換える | ・審査に落ちるリスクがある ・従来の返済方法・返済期日から変更される可能性がある |
②毎月の返済額を増額する | ・デメリットなし |
③繰り上げ返済をする | ・デメリットなし |
④任意整理に着手する | ・返済計画次第では毎月の返済額が増えるリスクがある |
①②③は自力で借金完済を目指す場合の方法、④は債務整理という国の制度を頼って特例的に利息を減らす方法です。
自力完済を目指す場合、できるだけ①②③すべてを同時並行的に取り入れた返済生活を過ごすのがおすすめです。金利条件の低い商品に借り換えをした後、毎月の返済額を出来るだけ増額し、臨時収入のタイミングで繰り上げ返済をすれば、かなり効果的に利息の発生を抑えながら完済を目指せるでしょう。
ただし、無理をしてまで借金返済に力を入れてしまうと、生活費・子どもの学費・光熱費などの支払いに支障が出かねません。
毎月の家計簿チェックは当然のことながら、現在の返済スケジュール・繰り上げ返済をした場合の返済シミュレーションなどを客観的に把握しながら、利息を減らして完済を目指しましょう。
②返済計画の見通しが甘い
「返済計画の見通しの甘さが原因で借金生活が終了しない」というパターンも頻発する事象です。
特に、「毎月着実に返済をつづけているのに完済日が遠すぎる」という悩みを抱えている債務者は、毎月の返済額がどれだけ元本に充当されているか把握できていない可能性があります。
たとえば、借金50万円(年利率18%)を5年で完済するスケジュールを立てたとしましょう。毎月の返済額がどれだけ元本・利息に割り振られているのかをご参照ください。
返済回数 | 1ヶ月当たりの返済額 | 元本充当額 | 利息充当額 |
---|---|---|---|
1回目 | 12,696円 | 5,196円 | 7,500円 |
2回目 | 12,696円 | 5,274円 | 7,422円 |
3回目 | 12,696円 | 5,354円 | 7,342円 |
59回目 | 12,696円 | 12,324円 | 372円 |
60回目(最終回) | 12,717円 | 12,530円 | 187円 |
債務者からすると、「毎月無理のない金額を返済しよう」「着実に毎月返済を続けられている」という考えなのかもしれません。
しかし、初回の返済を見て明らかなように、「毎月の返済額の半額以上が利息の支払いに充てられている=借金元本がほとんど減っていない」という状況が発生しています。これは、杜撰な返済計画が原因でしかありません。
このように、借入総額と毎月の返済額・返済期間のバランスを欠いてしまうと、「消費者金融カードローンの利益のためだけにお金を払っている」という残念な状況に追い込まれるだけです。
【改善策】実践可能な返済シミュレーションを練る
返済計画の見通しが甘い場合の改善策としては、借金元本を積極的に減らせる実践可能な返済シミュレーションを練るのがポイントです。
たとえば、先ほど紹介したように、【借金50万円・年利率18%】の借金を返済するのに5年(60ヶ月)の返済スケジュールを組んでしまうと、借金元本がなかなか減らないという状況におちいってしまいました。これを回避するためには、次のように、返済初回から元本を着実に減らせるような返済プランを実践するのがおすすめです。
返済回数 | 毎月の返済額 | 初回返済分の元本充当額 | 初回返済分の利息負担額 | 最終的な利息総額 |
---|---|---|---|---|
5年(60回) | 12,696円 | 5,196円 | 7,500円 | 261,781円 |
4年(48回) | 14,687円 | 7,187円 | 7,500円 | 204,973円 |
3年(36回) | 18,076円 | 10,576円 | 7,500円 | 150,721円 |
2年(24回) | 24,962円 | 17,462円 | 7,500円 | 99,079円 |
2年(24回) | 24,962円 | 17,462円 | 7,500円 | 99,079円 |
1年(12回) | 45,839円 | 38,339円 | 7,500円 | 50,074円 |
返済期間を短くするほど、毎月の返済額が増えるのは仕方のないことです。
ただ、毎月の返済額を増やすほど、元本の減るスピードが速くなり、また、最終的な利息負担総額を減らすことができます。
たとえば、毎月約13,000円ずつ返済しているところを、家計を少し節約して5,000円上乗せして18,000円ずつ返済をするだけで、返済期間を2年短縮化し、利息負担総額も10万円以上減らせる計算です。
もちろん、どこまで月々の返済額を増やせるかは各債務者の収入・生活状況次第。ただ、返済シミュレーションを明確にすることによって借金の減り方や完済までのモチベーションを維持できるので、実践可能な返済プランを見つけ出すことを強くおすすめします。
③借入れ先が増えて多重債務状態におちいっている
複数の貸金業者が提供しているカードローンが提供しているカードローンから借り入れを繰り返して多重債務状態におちいった場合、借金返済生活が苦しくなる可能性が高いです。
多重債務者が借金苦から抜け出せなくなる原因は主に次の4点です。
- 毎月複数回の返済日が到来するので家計管理がおぼつかなくなる
- 各債権者への返済額が少額にならざるを得ないので借金元本が減らない
- 複数社への返済が並行するので滞納リスクが高い
- 少額ずつの借り入れが原因で各借金の利息条件が厳しい内容になる
たとえば、ABC3社から50万円ずつ融資を受けた場合(総額150万円)、利息制限法の上限金利規制によって年利18%の金利条件が課されることになります。返済日は毎月3回です。
これに対して、D社から150万円を借り入れた場合、利息制限法のルールによって年利15%の融資条件が定められるのが一般的。約定返済日は毎月1回だけです。
つまり、債務者が負担している借金総額は同じだとしても、単一の債権者から借り入れているときよりも多重債務者の方が不利な利息条件が課される可能性が高くなってしまいます。また、多重債務状態になると、ほぼ毎週返済日がやってくる計算になるので、生活費の工面さえ簡単ではないでしょう。
【改善策】借金を一本化して返済管理をしやすくする
多重債務状態で返済が苦しくなる場合の改善策は、借金を一本化して返済管理を楽にするという方法です。そこで役立つのが、いわゆる”おまとめローン”です。
おまとめローンとは、複数の借金を1社にまとめる商品のこと。次のようなメリット・デメリットがあります。
おまとめローンのメリット | ・毎月の返済管理が楽になる ・金利の低い商品が多い ・多重債務状態よりも毎月の返済額を減らせる |
---|---|
おまとめローンのデメリット | ・おまとめローンの審査に通るとは限らない ・金利条件が低い商品ほど厳しい借り換え審査が課される ・毎月の返済額が減るので返済期間が長期化するリスクがある(繰り上げ返済などは可能) ・返済期間長期化によって最終的な利息負担総額が増えるリスクがある(綿密な返済シミュレーションで対応可能) |
ここから分かるように、おまとめローンの意義は、「多重債務者が直面している滞納リスクを回避して自力完済を目指しやすくする」という点に尽きます。
つまり、毎月の返済負担状況は軽減されますが、おまとめローンの融資条件の言いなりのままでは、「返済期間が長期化・利息負担総額が増える」というデメリットと常に背中合わせの状態になるということです。
したがって、おまとめローンへの借り換えで金利条件の優遇を受けることができたなら、「家計が落ち着いた段階で毎月の返済額を増額し、機会ごとに繰り上げ返済を実践して、着実に借金元本額を減らす」という方法が強く求められます。
利息を減らせず借金を返済できないと5つのペナルティが発生する
カードローンなどの高い利息を返済しつづけてはいけません。なぜなら、借金元本が減らないと返済生活は終わりませんし、どこかで返済日までにお金を用意できないという状態になりかねないからです。
そして、借金を滞納してしまうと、次の5つのペナルティが課される点にも注意が必要です。
- ①借金生活が終わらず人生設計が狂う
- ②利息以上に厳しい遅延損害金が発生する
- ③信用情報にキズが付く
- ④残債を一括請求される
- ⑤強制執行で財産・給与が差し押さえられる
つまり、利息を減らす方法に着手すべき理由は、借金滞納によって生じる①~⑤のペナルティを回避するためだといえるでしょう。
借金を抱えている以上、常に滞納ペナルティと隣り合わせの状態です。各ペナルティの内容をチェックして、利息を減らす方法を実践する原動力にしてください。
①借金生活が終わらず人生設計が狂う
借金を滞納するだけ完済日が遠のくことになるので、人生設計が狂うことになります。
たとえば、「〇〇歳までにマイホームを購入したい」「借金がなくなったら結婚をしたい」など、それぞれ建設的な人生を歩むための希望・プランを抱いているはずです。
しかし、借金を滞納すると、自分の希望通りの人生を歩むことができません。「借金があるから住宅ローンを組めない」「借金を抱えている状態では結婚生活を維持できない」などの現実的な問題に直面せざるを得ないでしょう。
したがって、借金生活から解放されて前向きな人生を歩むためには、滞納のない状態で借金問題を解決することは不可欠です。たとえば、今すぐ債務整理を利用すれば返済状況を抜本的に見直せるので、借金からの脱却を図りやすいと考えられます。
②利息以上に厳しい遅延損害金が発生する
返済日までにお金を用意できないと、遅延損害金というペナルティが課されます。
遅延損害金とは、延滞日数に応じて課される”罰金”のようなもの。【借金総額 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日 × 延滞日数】の公式で計算されます。
そして、消費者金融カードローンでは、借入総額にかかわらず遅延損害金年利率20%に設定されているのがほとんどです。
たとえば、借金総額200万円の債務者が滞納した場合の遅延損害金は次の通りです。
- 滞納1日:200万円 × 20% ÷ 365日 × 1日 = 1,096円
- 滞納1週間:200万円 × 20% ÷ 365日 × 7日 = 7,671円
- 滞納1ヶ月:200万円 × 20% ÷ 365日 × 30日 =32,877円
- 滞納2ヶ月:200万円 × 20% ÷ 365日 × 60日 =65,753円
このように、延滞している以上は、毎日1,000円以上の負債が増えつづけることに。遅延損害金と滞納分を合わせて返済しない限り遅延損害金の発生は防げないので、延滞期間が伸びるほど完済は難しくなってしまいます。
したがって、借金返済で苦しむ債務者にとって重要なことは、滞納によって遅延損害金が発生する前に利息を減らす工夫を実践するということだと考えられます。完済までの返済スケジュールをこなす自信がない債務者は、できるだけ早いタイミングで債務整理に着手しましょう。
③信用情報にキズが付く
借金を滞納したまま2ヶ月程度が経過すると、信用情報にキズが付いて”ブラックリスト”として扱われることになります。
ブラックリストに登録される(金融事故情報が登録される)と、日常生活に次のような支障が生じます。
- クレジットカードの使用・新規発行不可
- 新規の借り入れ・ローン契約不可
- 子どもの奨学金の連帯保証人になれない
- 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
- 携帯電話・スマートフォンの端末代金の分割払い不可
たとえば、クレジットカードが使えなくなると、付帯サービスである家族カードも使用不可になるので、家族に借金のことがバレてしまいます。
また、当然のことながら住宅ローンなども組めなくなるので、人生プランの大幅な変更を余儀なくされるでしょう。
なお、ブラックリストの登録は約5年程度なので、一生涯つづくものではありません。借金問題を解決するタイミングが早いほどブラックリスト解除の時期も前倒しできるので、延滞中の債務者はすみやかに債務整理をご検討ください。
④残債を一括請求される
借金の滞納が2ヶ月~3ヶ月程度になったタイミングで、借金全額の一括返済を求められます。
なぜなら、「延滞が長期化したこと」を理由として、”期限の利益”が喪失したと扱われるからです。これによって、以後、原則として分割払いは認められません。
毎月の返済さえ難しい債務者にとって、残債の一括請求に応えるのは不可能に近いでしょう。
残債を一括返済できない状態がつづくと強制執行が実行されるだけなので、差し押さえを回避するためにすみやかに債務整理に着手すべき段階だと考えられます。
⑤強制執行で財産・給与が差し押さえられる
借金を返済できない状態が3ヶ月以上つづくと、強制執行という法的措置によって債権の回収が行われます。
強制執行では、次のものが差し押さえられて、強制的に借金の返済に充てられます。
- 給与
- 預貯金口座
- 債務者名義の財産(動産・不動産)
たとえば、給与が差し押さえられると、会社に借金のこと・滞納していることがバレます。社会的信用を失うことになるでしょう。
また、預貯金口座が差し押さえられると、他の支払いができなくなったり、口座が凍結することにもなりかねません。
さらに、マイホームが競売にかけられると自宅を手放すことに。引越しを余儀なくされますし、家族・子どもにまで回復し難い迷惑が生じるでしょう。
このように、強制執行が実行される段階まで至ると、もはや今まで通りの生活は不可能になります。利息を減らす方法を実践するか、すみやかに弁護士などの専門家に債務整理をご相談ください。
まとめ
借金返済中の債務者は、目先の返済日にお金を用意することだけに囚われてはいけません。
「完済日までにどれだけの利息を支払う必要があるのか」という長期的・客観的な視点をもつことが、借金問題解決に向けてのファーストステップです。
そのためには、実践可能な返済シミュレーションを練るのがポイント。利息を減らす方法を実践しながら、最終的な利息負担総額を減らすことを意識してください。
同時に、どうしても借金返済を継続できない状況なら、すみやかに債務整理という救済措置にシフトする勇気をもつのも重要です。国が認めた借金減免制度を利用すれば、合法的に借金問題の改善を目指せるでしょう。
よくある質問
- Q. 利息が高すぎるのですが、どうにかなりませんか?
-
A.
利息を減らすには、おまとめローンにする・繰り上げ返済をする・月々の返済額を増やす・債権者と交渉する・任意整理をするなどの方法があります。利息を減らすことができると元本を減らすことができ、どんどん借金が減っていきますので、上記の方法を検討してみましょう。
- Q. 利息が高すぎて、返済する気が起きません。放っておいてもいいですか?
-
A.
ダメです。借金を放置するのは完全に悪手です。返済をしないで放っておくと遅延損害金がどんどん増えていきます。また、最悪の場合、差し押さえにあってしまうのでご注意ください。
- Q. 任意整理は自分一人でもできますか?
-
A.
任意整理は自分一人でもできますが、弁護士に依頼した方がいいでしょう。なぜなら任意整理は債権者との交渉(話し合い)で決着がつくからです。債権者である金融業者は百戦錬磨のタフな相手です。素人が一人で話し合いに行っても、なかなか任意整理に応じてくれません。やはり任意整理に詳しい業務経験豊富な弁護士が行くと債権者の対応も変わりますので、弁護士に任せることをお勧めいたします。