クレジットカードの一括請求を払えないとどうなるの?分割払いへの変更方法と対処法を解説

クレジットカードの一括請求を払えないとどうなるの?分割払いへの変更方法と対処法を解説

クレジットカード会社から届く一括請求を払えないでいると、信用情報への事故情報掲載や強制執行(財産や給料の差し押さえ)をされてしまいます。このような最悪の事態を回避するためには、一括請求をされた時点で返済するしかありません。

このまま放置をしていれば、そう遠くない未来に法的手続きへ移行されて、給与や財産の差し押さえをされてしまいます。

もし、一括で返済できるだけの資力がないならば、分割払いへの変更やその他の対応を検討するほうが良いでしょう。

例えば、弁護士に債務整理手続きを依頼することがひとつ有効です。これにより差押えを回避することができますし、また、債務整理を行えば返済を一時ストップできたり、遅延損害金や将来利息をカットできたりするので、今後返済を続けていく状態まで回復できる可能性があります。

今回は、クレジットカードの一括請求を払えないとどうなるのか?払えないときはどうすれば良いのか?についてお伝えします。現時点で一括請求をされている方は、早急な対応が必要です。ぜひ本記事を参考に至急適切な対応を行うことをお勧めします。

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クレジットカードの一括請求が払えない!分割返済への変更は可能?

クレジットカード会社が債務者(あなた)に対して一括請求をする根拠は「期限の利益の喪失」によるものであるため、原則一括返済しか認められません。

実際に支払いを数ヶ月滞納していたなど、心当たりがあるならば素直に一括で返済をするべきでしょう。

しかし、期限の利益を喪失するような事実に心当たりがないならば、カード会社に確認することで今まで通りの返済に戻るかもしれません。

まずは、期限の利益の喪失とは何か?一括請求をされた時点で一括返済しかできないのか?分割払いへの変更方法はないのか?についてお伝えします。

一括請求は「期限の利益の喪失」であるため原則一括のみ

クレジットカード会社が債務者に対して(借金をしている人)一括請求をしているのは、期限の利益を喪失したことが原因です。そのため、一括請求をされた時点で原則一括返済しか認められません。

期限の利益の喪失とは?
期限の利益の喪失とは、「期限の利益」を喪失したことを言います。

期限の利益とは、あらかじめ期限が決められていることによって債務者が受けられる権利のことです。たとえば、あなたがクレジットカードで100万円の買い物をしたとしても、すぐに返済を求められることはないですし、分割払いの利用も可能です。

これは、あなたの信用に基づいて「毎月◯日までに返済すれば良いですよ」という期限の利益をあたえられていることに起因します。

しかし、カード会社からあなたに対する信用がなくなってしまった場合には、この期限の利益を喪失させて直ちに一括返済を求めることができるようになります。このことを「期限の利益の喪失」と言います。

とはいえ、期限の利益が喪失するためには、相当な理由が必要です。たとえば、カードの利用代金未納状態が長期間継続している、カードの利用規約に違反している等々。心当たりがないでしょうか?おそらく一括請求をされているほとんどの方は、クレジットカード利用代金の未納状態が長期間継続した結果でしょう。

クレジットカード会社と契約を締結する際にかならず確認をしている「カード利用規約」には、期限の利益の喪失に関する事項が記載されています。一語一句隅から隅まで確認をされている方はほぼいないかと思われますが、カードを所有しているすべての人が規約に同意をして契約を締結しています。

そのため、期限の利益を喪失して一括請求をされた以上、債務者であるあなたはカード会社の指示に従って一括で返済するしかありません。

クレジットカード会社によっては交渉に応じる可能性がある

クレジットカードの一括請求は、期限の利益の喪失によるものであるため、原則一括返済しか認められません。とはいえ、カード会社も一括請求をしたところで一括返済できる可能性は低いことを理解しています。

そのため、債務者であるあなたがカード会社に相談をすることで、分割払いに変更してもらえる可能性がわずかながらずあります。信用が著しく減ってしまっている時点で、分割払いへの変更はとても厳しいですが、可能性がある限り一度相談してみる価値はあるでしょう。

また、仮に分割払いが認められたとしても、返済期間や毎月の返済金額は非常に厳しい条件になると思っておいたほうが良いでしょう。カード会社としても、できるだけ短期間で多くの借金を回収したいと考えているためです。

カード会社は一括請求から分割払いに譲歩するため、債務者であるあなたもカード会社に誠意を見せたりある程度の譲歩をしたりしなければいけません。もしもカード会社側から提示された返済計画案を受け入れられないならば、債務整理等の解決方法を検討したほうが良いと考えられます。

任意整理をすれば分割払いへ変更できる可能性が高い

クレジットカード会社が「一括請求以外は受け付けない!」という姿勢を持っていても、任意整理手続きであれば、分割に変更できる可能性があります。

任意整理とは、債務者であるあなたが債権者に対して「このままでは借金の返済が厳しいので、分割払いに変更して欲しい。もっといえば、返済期間の相談や利息の軽減もしてほしい」と交渉をする手続きです。

任意整理は債務整理の一種であり、通常は弁護士や司法書士等に依頼をして手続きを進めていきます。任意整理で和解が成立すれば、元金のみを3年〜5年かけて完済を目指せるようになります。

任意整理をすれば分割払いへ変更できる理由

ではなぜ、任意整理をすれば分割払いに変更できるのか?その主な理由は2つです。

  • カード会社が債務者に直接連絡を取れなくなるから
  • 少しでも多くの借金を回収したいと思うから
① カード会社が債務者に直接連絡を取れなくなるから

まず、債務者が弁護士や司法書士に債務の整理を依頼した時点で債権者は、債務者に対して直接連絡を取ることができなくなります(参考:貸金業法21条)。そのため、カード会社は必然的に弁護士等の交渉に耳を貸さなければいけなくなります。

その結果、カード会社も致し方なく交渉に応じるようになるのです。

② 少しでも多くの借金を回収したいと思うから

また、債務者が弁護士等に債務の整理を依頼した時点で「本当に借金の返済が厳しい状態」であることが明らかです。そのため、少しでも多くの借金を回収するために債権者は大きく譲歩するようになります。

和解交渉は債務者本人でもできますが、カード会社からの連絡や取り立てを止めることはできません。和解交渉も失敗に終わる可能性が高いので、任意整理をする際にはかならず弁護士等へ相談をしましょう。

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クレジットカードの一括請求を払えない!放置するとどうなるの?

クレジットカードの一括請求を払えずにいると、

  • カードの利用停止
  • 信用情報への影響
  • 給料や財産等の差し押さえ
  • が行われてしまいます。

これらのリスクについて詳しくみていきましょう。

①滞納しているクレジットカードが利用停止になる

対応が早いクレジットカード会社であれば、滞納開始日(返済日の翌日)よりクレジットカードの利用を停止されてしまいます。その後、すぐにでも利用代金を支払えば大きな影響はありませんが、一括請求されるまで放置してしまっていると、カードの強制解約をされてしまうこともあるでしょう。

クレジットカードを強制解約をされてしまうと、そのカード会社では半永久的にクレジットカードを発行することができなくなります。さらに、もしもその会社がカード以外のローン等も提供しているところならば、同じくローンを組むこともほぼ不可能となります。

たとえば、大手信販会社であるオリエントコーポレーションでは、クレジットカードのほかオート(自動車)ローンの提供もしています。仮にオリコカードで強制解約等をされてしまえば、今後はオリコのオートローン利用が難しくなるでしょう。

②信用情報にキズがつく

クレジットカードの一括請求は、滞納後2か月〜3か月経過したあたりで行われます。これとちょうど同じ時期に、信用情報機関へ事故(異動)情報が掲載されてしまいます。

信用情報にキズがつくことでいわゆるブラックリストに入ってしまうため、今後のクレジットカード発行やキャンシング、さらにはローン契約等にも影響が出るでしょう。また、現在持っているクレジットカード等の利用も更新できなくなる恐れがあります。

クレジットカード会社等は、定期的に顧客の信用情報を確認している(途上与信)ため、著しい悪化があればカードの利用停止や強制解約が発生する可能性もゼロではありません。最悪の場合、滞納をしていないカード会社等からも一括請求をされてしまう恐れもあります。

カード会社の利用規約には「信用状態が悪化したときは期限の利益を喪失する」と記載されています。このような記載がある以上、他社の滞納で信用情報を悪化させてしまった場合にも、一括請求をされる可能性があると思っておいたほうが良いでしょう。

③法的手続きに移行・財産や給料を差し押さえられる

クレジットカードの一括請求を放置していると、あなたの財産を差し押さえるために、法的手続きへ移行されてしまう恐れがあります。万が一法的手続き移行後も一切対応しなければ、カード会社側の主張によって判決が確定します。

その後は強制執行によってあなたの財産や、あなたの給料を強制的に差し押さえられることになるでしょう。

強制的な差し押さえが開始されてしまえば、家族や会社にも借金を滞納している事実がバレてしまいますし、生活にも大きな影響をあたえてしまう恐れがあります。

一括請求を分割にしても払えないときはどうすれば良い?3つの対処法について

クレジットカードの一括請求は任意整理や債権者の交渉によって、分割払いへ変更できます。しかし、なんらかの事情で分割払いでも返済が難しい方は、下記の方法を検討してください。

  • 弁護士へ相談をして債務の整理を依頼する
  • 返済不能の原因次第では行政を頼る
  • 家族等に資金援助を依頼できるならば助けてもらう

①至急弁護士に相談し債務整理を含めた解決策を検討

カード会社から一括請求が届いた時点で、すぐに弁護士へ相談をされたほうが良いでしょう。一括請求は法的手続きに移行されてしまう一歩手前であるため、対応が遅れてしまうことで今後の生活等にも甚大な影響をあたえることになります。遅くとも、一括請求された時点で至急相談するのが望ましいです。

弁護士に相談した場合の対策ですが、具体的には債務整理手続きを行うことで、一括返済を回避していくことになります。

一括請求を回避する債務整理手続きは3つある

債務整理には下記3つの種類があり、自分の状況や返済能力に合わせた手続きを決定することができます。

  • 債権者と交渉を行って利息のカットと返済計画の見直しを行う「任意整理」
  • 借金を大幅に圧縮できる「個人再生」
  • 現在抱えているすべての借金を免責(0)にできる「自己破産」

いずれの手続きを検討するにせよ、とりあえず弁護士に相談をしたほうが良いでしょう。少なくとも、一括請求をされた状況のままで放置をしていても、状況が改善されることは絶対にありません。まずは専門家へ相談し、解決への糸口を発見するべきでしょう。

A.任意整理

任意整理は先にお伝えした通り、利息をカットして元金のみを3年〜5年程度かけて完済を目指す手続きです。一括請求されているクレジットカードのみを整理したい、などひとつの債務から手続きをできるのが特徴です。

また他の債務整理手続きとは異なり、交渉であるため裁判所の手続きが必要ありません。そのため、費用も抑えられるうえに手続きも簡易的なのがメリットです。

B.自己破産

なんらかの事情で借金の返済が一切難しいのであれば、自己破産を選択されたほうが良いでしょう。任意整理や個人再生手続きは、かならず借金が残りますし、返済能力がなければ手続きを進めることができません。

C.個人再生

個人再生は裁判所手続きを介し、借金を大幅に減額する手続きです。借金総額がおおよそ1/5程度まで減額されるケースが多いです(減額幅は借金総額による)

任意整理が無理なら自己破産を考えることが一般的ですが、自己破産でどうしても手放したくない財産がある場合や、職業制限といったデメリットが許容できない場合は個人再生を検討することが一般的です。

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②行政の福祉制度を利用する

あなたがクレジットカードを返済できなかった理由、一括請求を払えない理由が病気やケガ、失業等が理由ならば、行政の福祉制度を利用できる可能性があります。

たとえば、仕事に起因した病気やケガなら労災保険を受給できるため、回復するまでの生活資金やクレジットカードの返済費用には困りません。

また、仕事以外に起因した病気やケガなら、傷病手当金制度を利用できるため返済を続けられるはずです。

もしも、クレジットカードの利用代金を支払うことによって生活費が足りなくなるならば、生活福祉資金貸付制度の利用を検討してください。この制度は、国が行っている貸付制度であり、個人信用情報に関係なくお金を借りられます。

そのうえ、貸付利率も低めに設定されていますし、返済期間や返済方法、返済金額も柔軟に対応してもらえます。一般的な消費者金融カードローン等からお金を借りられない方も利用を検討してください。

なお、生活福祉資金貸付制度は失業されている方も利用可能です。「私的な浪費が原因でクレジットカードを払えない」など、特別な事情がなく、経済的に困窮されている方はほとんどの方が利用できる制度です。

一括請求を放置していても何も得することはありません。なんらかの事情を抱えていて経済的に困窮しているならば、行政を頼って解決すれば良いでしょう。

③家族に資金援助を依頼する

もしも頼れる家族がいて、お金を工面してもらえそうならば相談をしてみると良いでしょう。とりあえずクレジットカードの一括請求だけを払ってしまえば、差し押さえ等、最悪の事態は回避できます。まずは目の前のことを片付けて、落ち着いてから家族にお金を返していけば良いでしょう。

ただし、頼れる家族がお金を「貸す」ではなく「あげる」だった場合は、あなたが贈与税という税金を支払わなければいけません。贈与税は1年間で110万円を超えた場合に発生するため、クレジットカードの一括請求金額が110万円を超えている方は要注意です。

また、家族からお金を借りた場合であっても、借りたお金に利子をつけて返済する場合は返済を受ける家族が利子所得の所得税および住民税を支払わなければいけません。家族間の貸し借りであっても、どちらかが得をすればかならず税金が発生すると思っておけば良いでしょう。

お金を工面してくれる家族が良しとするならば、クレジットカードの一括請求金額のみを借りて、実際に借りた金額だけの返済をすれば良いでしょう。相手が儲けたり自分が儲けたりすれば、税金にお金が流れてしまうので注意してください。

一括返済できない場合におすすめできない対応2つ

一括返済ができない場合、以下のような行動をとることは基本的にお勧めできません。

  • 対応を放置する・先延ばしにする
  • 新しい借金をし、返済資金に充てる

①対応を放置する・先延ばしにする

返済できないからといって対応を先延ばしにすると、「返済の意思なし」とみなされ、強制執行に向け手続きが進んでいきます。

仮に預金や給料が差し押さえられれば、今以上に生活が苦しくなることが予想されますので、できるだけ速やかに何かしらの対応を行うことが大切です。

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②新しい借金をし、返済資金に充てる

新しく借金をし返済資金を作ろうと思うかもしれませんが、これもお勧めできません。

というのも、一括返済の請求額の中には遅延損害金やこれまでの利息も含めて計算されているため、もともとの元本よりも大きな金額で借入を行わなければならず、より厳しい返済計画を強いられることになるからです。

このように、返済資金を融資によって賄うことを自転車操業と言いますが、これは健全な借入状態とは言えず、いずれ破産する可能性が高いと考えられます。

以上の理由から、返済資金を新しい借入によって作ることはお勧めできません。

一括請求後に融資を行う業者は闇金の可能性がある

また、一括請求が行われたということは、すでに信用情報にキズがついている可能性が高く、この状態では認可のある貸金業社からの融資は受けれないはずです。

ブラックリストに貸付を行う業者は闇金など、違法な貸付をおこなっている業者である可能性が高いです。

闇金から借入をおこなってしまうと、さらなる返済トラブルに巻き込まれることが予想されるため、こうした理由からも一括請求の返済資金を新しい借入により工面することはおすすめできないと考えます。

まとめ

今回は、クレジットカードの一括請求を払えないときはどうすれば良いのか?無視しているとどうなるのか?についてお伝えしました。

クレジットカードの一括請求は、期限の利益の喪失によるものであり、原則一括請求された時点で一括返済しか認められていません。しかし、クレジットカードの利用代金を支払えずにいた人が、一括請求されたところで返済できる見込みは薄いでしょう。

そこで、どうしてもクレジットカードの一括請求を払えないならば、分割払いに変更できないか相談をしてみれば良いとのことでした。カード会社に相談をしても条件が厳しかったり、そもそも分割に応じないということも考えられます。

そういったときには、任意整理という債務整理手続きを検討すれば良いでしょう。任意整理をすれば利息をカットしながら、元金のみを3年〜5年かけて分割で返済できるようになります。

「一括請求が来ても払えないものは払えないから…」といって放置をしていても、状況が改善することはありません。むしろ、状況は悪化する一方です。分割での支払いすらも厳しいならば、自己破産や行政制度の利用を検討すれば良いでしょう。

今回お伝えしたことを参考にしていただき、クレジットカードの一括請求と向き合われてみてはどうでしょうか。

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よくある質問

Q. 期限の利益の喪失とは、なんですか?簡単に説明してください。
A.

期限の利益とは、返済期日までにきちんと返済できれば、借金を分割払いしてもいいという権利です。これが喪失するということは、借金返済の分割払いを認めないことになります。なぜ返済期限までに返さないと一括請求されるかというと、期限の利益が喪失するからです。

Q. クレジットカード会社から一括請求がきましたが、返済できません。どうしたらいいですか?
A.

最初に、弁護士にご相談ください。弁護士と相談の上、任意整理をしてください。任意整理をすると分割払いが可能になります。また、任意整理をすると将来利息がなくなりますので返済がしやすくなります。

Q. 一括請求を放っておくと、どうなりますか?
A.

遅延損害金が加算され借金の返済額が増えます。最終的には、訴えられて強制執行(差し押さえ)になります。どうしても返済できない場合は、債務整理などをするしかありません。一番よくないことは、何もしないことです。きちんと対処すれば、どうにかなりますので、安心してください。